【この記事を読んでわかること】
- 精神科看護師は急性期と慢性期どちらが向いているか ?
- 慢性期で実際に何が経験できるか?
- 精神科スキルが一般科でどう活きるか ?
- 一般科で一人前になるまでの具体的な期間
最初に正直にお話します。私は精神科でも、決してできる看護師ではありませんでした。
「40歳で一般科に転職なんて絶対無理だ」と精神科の同僚から反対されていました。
それでも慢性期医療療養に転職して、半年で人工呼吸器管理・PEG管理・CVとPICC管理・急変対応・緊急入院受け入れ・看取り対応ができるようにまでなりました。
今は転職して15年、後悔は一切ありません。
プライベートも年間休日120日以上・有給取得9割取得も充実しています。
特別な才能は必要ありません。
環境と順番を間違えなければ、誰でも一般科にできるようになります。
結論:精神科看護師は「慢性期」一択です
精神科看護師は「慢性期」と「急性期」なら「慢性期」を選びましょう。
なぜなら、精神科看護師は一般科スキルの基礎がありません。
まずは基礎を固めることが大前提だからです。
精神科と急性期では業務のスピードも内容もまったくの別世界。
基礎ができてなくては急性期でやっていくことは至難の業です。
一般科の基礎力なしで飛び込むと、途中で挫折するパターンになりがちです。
| 挫折するパターン | 結果 |
|---|---|
| 業務スピードについていけない | 自信喪失 |
| 忙しくて質問できない・聞きづらい | 孤立 |
| 環境についていけず心が折れる | 精神科へ逆戻り |
焦らずにまずは一般科の基礎を固めましょう。
慢性期で一般科の基礎を固める
「慢性期って、たいした技術は身につかないんじゃないの?」
正直、私も転職前はそう思っていました。
ですが、実際は違います。
慢性期では一般科の基礎となる技術を一通り経験できます。
【習得できる看護技術】
- 人工呼吸器の管理・設定確認
- 輸液ポンプ・シリンジポンプの設定・操作
- CV・PICCの管理
- PEG(胃ろう)管理
- 吸引(口腔・気管)
- 経管栄養の管理
- 褥瘡処置
- 検査介助(CT、MRI、造影検査など)
【慢性期で経験できる代表的な疾患】
- 脳梗塞後遺症
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 誤嚥性肺炎
- 心不全
- 認知症
- ALS・パーキンソン病などの神経難病
このほかにも、代表的な疾患は一通り経験できます。
これらの疾患を持つ患者さんを長期間担当することで、疾患の理解だけでなく、状態変化を読むアセスメント能力も自然と身につきます。
慢性期はリアルな現場も経験できて、一般科の基礎を固めることができる環境です。
気になる教育内容ですが、ほとんどの病院では急性期・慢性期に関わらず、厚生労働省の「新人看護職員研修ガイドライン」に基づいた教育が行われおり教育内容は慢性期も急性期と変わりません。
「慢性期だから技術が身につかない」ということはないので、心配ご無用です。
慢性期をおすすめする理由
慢性期と急性期を環境はたらきやすさで比較すると以下になります。
| 比較項目 | 慢性期 | 急性期 |
|---|---|---|
| 業務ペース | 余裕あり | 激務 |
| 教える側の余裕 | 適度な余裕あり | 忙しくて余裕がない |
| 質問しやすさ | 雰囲気的にしやすい | 激務でしづらい |
| 残業・休日出勤 | 少ない | 多い |
| 看護技術の習得 | 基礎から一通り学べる | レベルが高くついていけない |
| 急変・看取り対応 | 適度にあり | 多くあり |
急性期と比べると落ち着いていますが、決して慢性期は「のんびりした職場」ではありません。
夜勤中に急変が起きれば、夜勤ドクターへ報告・指示をもらい、薬局へ走り自分で点滴を取りに行くことも普通にあります。
夜間の緊急入院を一人で受け入れることもあります。
私が一般科3年目のことです。
看護師一人看護助手一人の夜勤で、お二人を看取ったことがありました。
助手さんは一人いましたが、亡くなるまでのケアも死後処置もお見送りも、すべて自分が主体でやらねばなりません。
もちろん一睡もできず、本当にきつかったです。
でも、あの夜があったから今の自分があると思っています。
精神科スキルが慢性期で活きる場面
私の精神科で10年間培ってきた力は、慢性期でそのまま武器になりました。
【慢性期で活きる精神科スキル】
- 患者さんとじっくり向き合う忍耐力 → 長期療養の患者さんとの信頼関係づくりに直結
- 言葉以外のサインを読む観察力 → 認知症・ALS患者さんの状態変化をいち早く察知
- 感情を受け止める・寄り添う力 → 看取り後のご家族対応で特に活きる
最後の「寄り添う力」について、忘れられない経験があります。
看取りの後、言葉を失っているご家族に寄り添う場面が何度もありました。
何か特別なことを言ったり、何かしたわけではありません。
当たり前のケアでも精神科の経験が活きた、と今でも思っています。
後日、ご家族から私宛に「〇〇さんには大変お世話になりました」と、お声をかけていただいたことが何度かありました。
患者さんが、ご家族に私のことを話してくださっていたようです。
「精神科経験しかない」は弱みではありません。
「精神科経験者だからこそ持っている力」があります。
一般科で一人前になるまでの目安
私の経験をもとに目安にしてみました。
個人差はあると思いますが、だいたいこのくらいです。
| 時期 | できるようになること |
|---|---|
| 1〜3ヶ月 | 日勤の流れ・病棟の雰囲気に慣れる |
| 半年 | 人工呼吸器・PEG・CV管理/緊急入院対応 |
| 1年 | リーダー業務・急変対応が落ち着いてできる |
| 1年半から2年 | 一人前、後輩指導もできる水準 |
急変や看取りは働いていればイヤでも経験しますし、その時がスキルアップのチャンスです。
私は初めての夜勤で、いきなり看取りを経験しました。
また夜勤で看取りと即入院を経験したこともあります。
楽ではありませんが、少しづつ経験を重ねることで必ず一人前になれます。
慢性期の次は急性期へのステップアップも可能
精神科のみのキャリアだと難しいですが、慢性期経験があると急性期でも採用されやすくなります。
慢性期で2年ほど経験を積んだ後、急性期へ転職することは充分可能です。
精神科経験しかないと将来も精神科しかありませんが、慢性期で一般科スキルの基礎を固めるだけで将来の選択肢も増えます。
【慢性期経験で増える選択肢】
- 急性期に転職する
- 慢性期で働き続ける
- 精神科に戻る
一般科スキルの基礎があるので、どの将来を選んでも充分やっていけます。
精神科に戻る場合も、一般科スキルを持つ看護師として重宝される存在になれます。
まず動いてみることが、キャリアを変える第一歩です
転職するかどうかは、動いてから決めればいいです。
慢性期にどんな求人があるか、条件の相場はどのくらいか?
それを知っているだけで、漠然とした不安が「具体的な次の一手」に変わります。
初めての転職でも親身にサポートしてくれてるのがレバウェル看護です。
ネットに載っていない病院の内部情報も教えてもらえます。
まず情報を持つことから始めてください。
まとめ
- いきなり急性期はリスクが高い、慢性期から始めるのが正解
- 慢性期は「ぬるい」ではなく急変・看取り・緊急入院も経験できる
- 転職半年で人工呼吸器・PEG・CV管理ができるようになった
- 精神科スキル(寄り添う力・観察力)は慢性期で確実に活きる
- 2年で一人前。その後に急性期ステップアップも可能
- まずは情報収集だけでも動いてみることが大事


コメント